ドラゴンボールに学ぶ「研究者になるということ」
こんにちは、umiです。
うちの研究室にはアニメ好きが多く、日常的に何かとアニメに例えて物事を語る文化があります。
先日、「研究者になるってどういうことなんだろう?」という話題の中で、指導教官の教授が『ドラゴンボール』で説明してくれて、これがめちゃくちゃ腑に落ちたので、ブログで共有してみます。
修士論文を書くこと=かめはめ波を撃てるようになること
まず、修士課程のゴールのひとつである「修士論文を書く」ということ。
これは、かめはめ波を撃てるようになることだそうです。なるほど、カッコいい。夢がある。
ただし、ここで注意。
これは「なんとか一発撃てた!」という段階。
エネルギーを溜めて、構えて、集中して、ようやく一発かめはめ波が出せるようになった、ってレベルです。
研究者になること=連続で気弾を撃てるようになること
一方、研究職になるというのは、それだけでは到底足りません。
連続で気弾を撃ちまくれるようになること。
要は、問いを立てて、調査して、分析して、考察して……っていう一連の流れを、日常的に、何度でも回せる状態になる必要があるということ。
かめはめ波みたいな大技も出せるし、必要に応じて「小刻みに撃つ」「誘導弾で撃つ」「範囲攻撃する」みたいな応用力も求められてくるわけです。
方法論から入る罠=「技を先に覚えたい病」
研究を始めたての頃によくあるのが、「方法」から先に決めちゃう問題。
たとえば、教育研究なら──
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「プログラミング教育がしたいです!」
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「生成AIを使った授業とか興味あります!」
…みたいなやつ。うん、わかる、めっちゃわかる。自分もそうだった。
でもこれは、ドラゴンボールで言うと
「とにかくかめはめ波を覚えたい!」って言ってるのと一緒。
その前に「そもそも誰と戦うの?」「どんな戦い方をするの?」「勝つってどういう状態なの?」っていう、“気のコントロール”が必要なんです。
5W1Hは、まず5Wから
研究では、まず5W(誰に・なぜ・どこで・いつ・何を)を明確にすることが大事。
つまり、「誰を支援するのか」「何のためにやるのか」という、対象や目的をクリアにしないと、方法の選びようがありません。
そしてその後に1H(どのように)= 手段や方法論を選ぶ、という流れ。
ここでようやく「かめはめ波を使うのがいいのか」「舞空術で逃げるのか」「仙豆を持っておくのか」が見えてくるわけですね。
グミ打ちは、負けフラグ(研究でも)
ちなみに教授はこの話をしながら、ベジータの「グミ打ち」を例にしてくれました。
敵に向かってエネルギー弾をババババッと連射するあれです。
でもベジータファンなら誰もが知っている通り、グミ打ちはだいたい負け演出です。
つまり、「見た目だけ派手な研究」はダメってこと。中身がなければ、どれだけ手数を増やしても本質的には勝てないんですよね……。
「気をコントロールする」ってどういうこと?
研究における“気のコントロール”とは、
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課題を見つける力
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対象を理解する力
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モデルを立てる力
といった、研究の土台になるスキル群のこと。
これが整ってないと、どんな方法を選んでも、それはただの“撃った気になってるだけ”になってしまいます。怖い……。
まとめ
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修士論文を書く=かめはめ波一発
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研究者になる=連続気弾
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方法論は目的を見定めてから選ぶべし
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見た目派手なグミ打ちに注意
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“気のコントロール”が研究力の本質
というわけで、「研究者とは何か?」をドラゴンボールで考えてみました。
研究が行き詰まったときは、まず「自分の“気”をどうコントロールするか?」に立ち返ってみると、道が開けるかもしれません。
それではまた、次回の修行でお会いしましょう。